• 白井純平

建築の旅 01ポルト大学

最終更新: 2019年5月31日

●ポルト大学●

ポルト大学建築学部校舎はアルヴァロ・シザ(以下シザ)の代表作品の一つです。1985年頃から計画が開始され、一通りの完成をしたのは1996年になります(文献によっては1987年から1993年までなど、多説あり)。ヨーロッパの建築ではよく予算の関係上、いくつかの分期計画により工事計画を進めることは多々あります。この建築はシザの建築への取り込み方が鮮明に表れているとよく言われます。



特徴的なのは校舎が分棟計画により、建築群による中庭や建物の並びによる街並みとでもいうような、建築と都市の関係を表した縮図のようなプロジェクトです。ここで建築を学べる学生はとても幸せだと個人的に思います(学んでいた方や学んでいる方で不満のある方はぜひ教えてくださいw興味あります!)。




学部のエントランスには白い箱状の東屋(内部はべに色塗装)とゲート(どこからでもはいれるので機能はしなさそう)が配置され、施設の入り口を印象付けています。








学食棟とその前に広がる広場は樹木に囲まれたエリアと開けているエリアがあり、木洩れ日の中で学生たちの交流空間が広がります。撮影日は日曜でしたが、翌日月曜に再訪したところ多くの学生が笑顔で会話していました。学食棟エリアと授業棟エリアの間には地盤の高さ変化があり、しっかりと空間を分節しオンとオフの切り替えができそうなキャンパスです。



大通りに面した授業棟をみてみます。4つの授業棟はスカイラインを形成するタワー状のデザインです。それぞれ形態と窓のデザインが異なります。統一感のある仕上げの中に、街並みとして表情があります。教室の採光に変化が生まれ、同じ建物ではない実感を内部空間に感じることができます。実はこの授業棟等は林の奥にある既存建築の外壁に沿って並んでいます。


授業棟の中庭空間は青空教室にぴったりな緑のエリアと集会等が可能な砂利のエリアがあります。建物デザイン(特に庇や窓の形)のバリエーションに富み、中庭に立つ位置によって街並みとしての表情の変化を感じることができます。カップルのピクニックやサークルのような集会が行われていました。


アドミニ棟のスロープは緩やかに各階の教員室等をつなげ、外の中庭を眺めながら移動することができます。外の景色から中庭の活用状況が把握でき、教授が学生に目を配りながら指導ができることを期待した計画なのでしょうか?入口正面の本屋はもちろん建築関連図書専門店です。


ホール棟のスロープは展示スペースも兼ねていて、学生のプレゼンテーション空間としても活用されるそうです。中央にある半円の平面形状をしたプレゼンルームはどことなく古代ローマにありそうな古典建築のような印象を受けます。


図書館は天窓からポルトガルの強い日差しを柔らかい光に変える半透明の三角形の断面形状をした明り取りが均質な光の空間を作っています。個人的にはこの空間がキャンパス内で一番好きでした。



限られた視察時間ですが、スケッチしながら空間観察しました。

ポルト大学はどこか穏やかな雰囲気があり、建物の至るところに学生の憩いの場やプライバシーを確保するのに有効なニッチなどが組み込まれ、居心地の良さを感じることができました。特に中庭は利用者に活用方法を連想させるような気がしました。どことなく街の広場のような空間というのでしょうか。こういう広場が増えると日常生活の豊かさに違いが生まれるのだろうと思います。



注意:当ブログはリアルタイムの記録をしているものではありません。


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