2. 生活空間と空間コスト

​マイホームは決して安い買い物ではありません。まとまった費用を要する大変大きな買い物になります。その費用は小さな建材一つ一つが積みあがって完成形の費用としてお見積書に反映されます。ここでは予算感からどういった選択肢があるかを考えます。

​図:いろいろな予算按分が考えられます

2-1 まずは生活空間の大きさを考える - 人間一人あたり25㎡以上

一人暮らしの小さなアパートから考えると広さをイメージしやすいでしょう。一般的な8畳部屋をもつミニキッチンの部屋を探すと、間口およそ3m奥行きおよそ8mで合計24㎡前後のものが多くみられます。このプランを生活に必要な最低限の空間と想定します(より小さい住戸も世の中にはあります)。トイレや風呂場などは全て既製品の最小のもので構成されています。

​図:8畳の単身者向けアパートの平面イメージ

​図:夫婦+子供一人の間取り構成イメージ

ここで生活空間を24㎡/一人として、夫婦と子供一人の間取り計画のため3倍した範囲に間取りを当てはめてみるとちょうど必要最低限の大きさになります。キッチンが4.5畳、リビングダイニング10畳、主寝室と子供部屋がそれぞれ8畳に1間の収納付き、風呂場は1218規格の足が伸ばせるユニットバスサイズ、脱衣所やトイレなど必要な設備がレイアウトできます。デザインや暮らし方により適切な間取りは変わります。それこそデザインや計画によっては60㎡で3人家族が暮らすことも計画できるでしょう。それこそデザインや計画によっては60㎡で3人家族が暮らすことも計画できるでしょう。その場合一人20㎡になりますので、「一人暮らしの6畳一間で洗濯機がベランダ置き」を3倍することになるので、設計に工夫が必用になってくるという感覚です。小さな面積に必要な空間を納めるのは設計者の腕が鳴るものです!

​図:一人分追加した面積で計画したときの

自由設計の差をイメージした間取り

逆に4人家族で想定したとき、将来的にもう一人子供が生まれる場合も考慮した面積で計画をすれば自然とリビングやダイニングを広くとることができます。そのとき二人の子供が一部屋をうまく共同する計画が可能であれば、家族の団欒空間となるリビングダイニングを広々と利用できます。広さが確保できるということは計画がしやすいということになります。デザイン性を高めることもできれば、設計者の実力を問わずしてある程度快適性が期待できるということにもなります。
ここでは次に予算を考えるために規模算出をしているので、生活に適切な広さを一人あたり25㎡程度として算出します。

2-2 工事費用のざっくり算出 - マンションフルリノベーションで㎡あたり12万以上

マンションリノベーションを考えている場合は、リフォーム(ここでは間取りを変えないで仕上げだけ元の新しさに直すイメージ)にかかる大きな費用を把握すると予算計画ができます。一般的にリフォームと呼ばれる壁紙などの仕上げを交換する工事は安価ですが、リノベーションと呼ばれる間取り変更、電気(照明計画・コンセント増設など)工事や設備(キッチン・風呂・トイレの移動)を要する計画になると費用が高くなります。それは壁や天井などの下地内に必要な配線や配管が通り、工事に手間がかかるからです。また電気工事は配線工事が主な調整内容になるため配管と比べて小さく、計画内容や条件によっては費用をおさえつつつ計画することもできます。配管工事に関しては5㎝や7.5㎝といった硬い管を設置したり撤去しないといけないため大掛かりになる場合が多いのです。リノベーションはせっかくの電気や設備の更新をするチャンスなので、理想的な間取りに合わせて工事をすることは一般的に行われています。 

​図:設計に応じた単価設定により㎡単価が算出するイメージ

工事は単価設定をすることで、実際に使用される仕上げ材料などの高級度を仮定することができます。その費用を積み上げ、必要なキッチンや衛生設備をはじめ、作り付け家具などを加算することで全体の費用イメージが把握できます。この費用を加算し、面積按分をすると工事単価が思案できます。あるプロジェクト設定では工事費用が8.5万円/㎡、工事会社の現場管理費用20%、(デザイン設計費用別途)を加算しおよそ10万円/平米となりました。この価格に家具造作などの設計の中身に応じて減額、増額となることが想定されます。どのような工事でも計画されたものにより工事費が決まります。単価設定の目安は設計担当者とじっくりお話されるとよいでしょう。

2-3 予算計画から検討できる家づくりのバリエーション

工事総予算に加え、物件価格やその他の手数料や引っ越し費用などを積み上げると総予算が算出することができます。このとき、物件価格は全体の費用に大きく影響を与えることが想定されます。例えば前述の工事単価に物件価格が2750万の中古マンション取得費を加えたリノベーションで検討しているとき、同じ価格帯で注文住宅も検討することができる場合があります。

​図:中古マンションリノベーションと同価格の注文住宅の例

​図:価格帯に応じた選択肢

こういった価格はお探しの物件情報によって多様で、一概に言えません。だからこそ実際には多くの選択肢があり、その検討によっては予期せぬ可能性をもつことだってあります。価格帯によっては実生活における多くの未来への道が開け、想定していなかったより高い理想が叶うこともあるでしょう。この選択肢を検証するには、土地・建物・内装・工事といった一連の工程を通じて親身に助言をしてもらえるパートナーがいると心強いでしょう。大手の安心さをもつハウスメーカー、地元に根付いた信頼さをもつ地元工務店、第三者的な立場から裏表のない設計者、お金のことに特化したファイナンシャルプランナーなどパートナーの選択肢はいろいろあります。

​図:予算はパートナーと工夫を凝らす!

ご予算感は生活の規模(総面積)と暮らし方を基準に、コストを管理していくとロジカルに必要な費用が見えてきます。費用から条件を探すことも大事ですが、その逆の方向でもご検討されるのもよいかと思います。そのための具体的な方法は生活をよりイメージするためのパートナー探しだと思います。これにはお施主様の手間もかかります。ですが、その分完成した住宅は家族の一部のようにも感じられるかと思います。

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