5.本当の意味での建築条件とは

土地の広告ちらしなどをご覧になると時折「建築条件付き」の土地情報を見かけることが多々あるでしょう。建築条件とは「土地を売買する際に建物に関わる約束事があること」を意味しています。

5-1 建築条件のイニシアチブはだれが持っている?

建築条件付きの土地ではお好きな建築士や工務店等にお願いができないので注意が必要です。この建築条件とは土地売買上の取引停止の条件となっていることもあり、土地を購入するための条件と考えてよいでしょう。それではこの条件で誰が得するのでしょうか。売り主、不動産屋、設計事務所、工務店それぞれの立場で考えてみます。売り主は土地の魅力を引き立てる材料に建物のプランがほしいが、計画図を書いてもらう諸経費をかけたくない。不動産会社は無駄なく速やかに取引が完了することを望みます。設計士は最小限の営業用参考プランをかいて、合理的な営業をしたいものです。工務店は速やかに工事契約をして、早期に建物を建設して引き渡しを望みます。しかし建築条件にプランがある限り、設計事務所あるいは工務店がその営業用プラン作成における必要経費をかけています。この経費を回収するために、参考プランから大きく変更をかけず、合理的に手間をあまりかけずに業務を進めたい会社の場合もあります。すこし寂しい感じもします。もちろん中には非常に優秀な工務店が条件付きの場合もあります。何もすべての建築条件が上記の通りでなく、「条件次第」なのです建築条件付きで土地取得される場合はその条件を詳細に確認し、最悪建物に合意できなかったときに解約に至るかどうかなども含めて確認されることをお勧めします。そのときは残念ながら当事務所への設計はご依頼いただくことが難しいかと思われます。ですが、幸せな家づくりが行われることを願っております。

5-2 本当の建築条件は建て主自身

建築条件は建売住宅ではありません。ということは注文住宅の一種といえます。ですが注文住宅に期待できるほどの自由度は「条件次第」です。本当の条件とは、住宅の建築条件は建て主の方々のもつ「住まいへの希望」のはずです。建て主の新居での生活のあこがれや、唯一無二であるご家族の将来計画に沿った未来像を実現するための「建築に課す条件」こそが本当の建築条件なのではないでしょうか。

5-3 建て主の「建築条件」を具現化させる建築士

土地が整備され、取引され、建物が設計され、建てられる。この一連のプロセスの中で建て主に最も寄り添えるのは「設計事務所」だと考えています。もちろん不動産屋や工務店もその努力に妥協はないでしょう。しかし寄り添うことが建築士の仕事に必要なのです。建築士は建築士法第1条で「その業務の適正をはかり、建築の質の向上に寄与させることを目的とする」と定めれています。一連の専門家で、建て主の希望を実現化させる際に土地や建材といった「モノ」の取引による利益が無く、純粋に依頼主の希望だけに集中できる立場です。土地取引や工事といった他業の専門を尊重し、包括的にコンサルティングができる建築士をお選びになることをお勧めします。

​図:設計施工発注方式の業務範囲

検討4-1 ハウスメーカーならばの注文住宅モデル

前述は一般的になぜ150㎡や200㎡の用地が多いのかを説明しました。部分的に建売住宅の開発モデルも説明しました。実はこれはハウスメーカーの注文住宅モデルに一部関係します。

​図:ハウスメーカーの分譲注文住宅サービスの例

ハウスメーカーの注文住宅では建売サービスの土地取引を分離することができるモデルとなっています。もちろん一気通貫し建売モデルと同じように順次設計と工事をするモデルにもできます。特に大手ハウスメーカーであれば一気通貫で展開することが多いです。また、建築条件のない土地を取引された方からのご依頼を受けることも可能です。
分譲用区画整備事業と土地取引と建屋関連(設計と施工)を分割することで、ビジネスに応用が利き、それぞれのサービスが自立することで細やかなサービスが可能となります。このとき、地域密着型のハウスメーカーであれば不動産取引は地元の企業と連携することもできます。このとき土地を買う人は通常であれば、その後の設計や工事については自由があります。しかしここでビジネスが切れてしまってはハウスメーカーとしては魅力的ではないので、土地売買に「建築条件」をつけます。建築条件とはその後の建築行為において約束を交わされた土地として条件付けがされていることを意味します。それによってその後の設計や工事については土地売買条件に契約が付加されます。このようにハウスメーカーの特徴は区画整理を積極的に行い、土地の形をバランスよく整えた状態で開発をすることができることがわかります。それによって安定した設計・工事が可能となり、元締めとして契約を交わし最小限の手間で住宅を整備し販売することで利回りを確保するビジネスが基盤にあります。

​図:ハウスメーカー一般的な体制の例

ハウスメーカーの案件は件数が多く、分業化も進み合理的に業務を進めることができます。その合理化の中で培われてきた過去の取引を引き合いにコストカットを行うことで利幅を確保しています。そのため利幅文をハウスメーカーが元締めとして握っているため、利幅を縮めたり、土地の仕入れ値を下げられたりすることで見積額の調整が可能となります。しかし、その分自由度には限りがあり、担当するチームのメンバーによっては、依頼された計画独自の要望に対して対応が難しかったりもします。またハウスメーカー独自の安全性や採算性をもとに業務のサービス条件が厳しく設定されていることもあり、会社として展開しているサービスに沿った依頼のとき最大の効果が発揮されるものです。

検討3-3 地域工務店ならばの品質・コストのコントロールができる注文住宅モデル

地域工務店はある都市や地域を中心に施工業を営んでいる地元の工事会社です。地域工務店の特徴は地元の風土や慣習の特徴を熟知している場合が多く、地域色を活かした工事ができることです。

​図:工務店の一般的な注文住宅サービスの例

工務店の注文住宅では工事を行う会社が直接設計士を雇い、土地取引後から一気通貫した住宅づくりのサービスとなります。不動産に建築条件をつけ、指定工務店としてハウスメーカーのサービスに近い形態をとっている場合も少なからずあります。設計と工事を一括受注する強みとして建設コストの決定権を全権握ることがあげられます。設計内容と共に工事内容を同時に管理することができるため、建築資材の流通度合いや職人さんの特徴に合わせた現実的で確実性のある計画が可能です。またハウスメーカーは自社施工でなく、地域工務店に発注して工事していることも多々あり、下請け経験のある工務店によってはハウスメーカーと同等仕様で工事をすることも可能です。その場合の建設費も抑えられることが期待できます。

​図:地域工務店の注文住宅における一般的な体制の例

​地域に根差した実力のある工務店による注文住宅であれば同等のハウスメーカー案件より安価で、融通の利いた家づくりが可能でしょう。このとき工務店によっては下請けの設計士を打合せに参加させる場合もあり、依頼の内容に対してより真摯に対応しようとする場合もあります。この発注型式の場合、設計と工事の契約がスムーズに行われることが期待され、家づくりのストレスが大きく軽減されると思います。昨今では工務店が設計士を雇っていることも多く、法令に対しても的確に対応ができるサービスも増えてきています。

検討3-4 設計事務所ならばの自由度の高い注文住宅モデル

設計事務所には一級建築士事務所、二級建築士事務所、木造建築士事務所があります。一級建築士事務所を筆頭に設計を許可されている建物規模が小さくなり、限定的になります。設計事務所の特徴は法令順守対して敏感であること、そして熟知しているからこそデザイン性の高い計画を実現することが得意なことです。

​図:設計事務所の一般的な注文住宅サービスの例

設計事務所は経歴の特性が大きく影響することが予想されます。例えば有名な建築家事務所を勤務してきた場合、その建築士の思想の一部を引き継いでいることが期待されます。そういった著名な建築家のデザインを引き継いだ、優れたデザインが実現する可能性もあります。また不動産や工務店の抱える土地取引の都合や工事手に関する手間などの諸事情と関係なく、設計内容に注力できるため最も高い自由度を有する注文住宅モデルとなります。また不整形の土地などのハウスメーカーが積極的にサービスを展開していない用地でも計画ができるため、土地取得の条件もより自由になります。

​図:設計事務所の注文住宅における一般的な体制の例

設計事務所は設計した内容が工事に反映されているかを確認するため現場に対して「監理」という設計図面と現場に相違がないことを確認する業務があります(設計と同様に国家資格である建築士を必要とする業務)。その監理業務により建築士は工務店から設計図面でわからない箇所があったときは、手を取り合い現場が円滑に進むように協力することになります。お客様と工務店の交わす工事契約が履行されるための潤滑油のような存在が建築士です。オリジナリティがあり手間のかかる注文住宅に対して、関係者間の均衡を保ち引き渡されるための建築士法と建設業法によって定められている体制を組むことが可能です。

検討3-5 それぞれのメリットデメリット

​以下調整中

​図:発注方式のメリットデメリット表

家づくりには手間がかかります。
手間対コスト(手間賃)
速さ対手間をかける
自分の人生のためにだれをどのように雇うか。​

建築家/設計士(以下建築士)たちも頼りになる相談相手です。住宅展示場へサンプルルームを見に行かれる方、近隣の工務店にお値段のご相談される方、不動産会社に物件探しに行かれる方には、「設計事務所に相談しに行く」ことをもう一つの相談窓口としてお試しすることをオススメします。

検討3-6 建築計画の正当性監査するための法で定められた基本的関係

検討3-7 設計事務所の注文住宅の特徴をより活かす方式

​マイホームをご検討の方へ

​設計事務所にも足を運んではいかがでしょう?

マイホームをご検討の方は最終的に「土地*と住宅」や「マンション**とインテリア」、あるいは「土地と倉庫とリノベーションインテリア」などを所有することになります。「土地」や「購入するマンション本体」は購入後に個人で形を変えることができないものなので、慎重に選ぶ必要があります。また住宅やインテリアは長く生活環境の核となるもので、大金をかけるからこそ、詳細にわたり検証したものであるべきです。このコラムマイホームの検討方法を解説します。
 
建築士の有効性を解説します。
(建築士への相談するポイントはこちら→)​
*ここでいう土地とは所有権をもつ土地のことを意味します。いずれ分譲地に関することも記載できればと考えています。
**ここでいうマンションとは分譲所有できる集合住宅における所有区分の土地権利や共用部を総称しています。

建築士へ相談する意味とは

また、「マンションの専有するバルコニー内に面する外壁をタイルから石張りに変えたい」と考えても、ほぼすべての分譲マンションにおいて管理規約で工事することが許されていません。また「上階の排水菅などが、所有するマンション区分を貫通している場合」に位置や形状変更をしたいと望んでも自由に工事ができない場合が多いです(許可されたとしても、工事することはオススメできません)。
(以下は当事務所のご紹介となります)
夢の生活に向けてTAG建築デザイン事務所では「建築企画」という仕事を受けています。「建築企画」ではご希望されている不動産に対して初期検討を行う業務となります。費用は設計料の5~10%程度で総予算の0.5~1%程度となります。詳しくはお問合せください。当事務所の「建築企画」で不動産購入前に事前検討をされるのはいかがでしょうか?なおTAG建築デザイン事務所では初回相談は無料となっております。まずはお気軽にご相談ください。
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